- 「日焼け止め塗ったのに、うっかり焼けちゃった…」
- 「この日焼け、どうケアすればいいの?」
日焼けしてヒリヒリする肌を見て、焦っていませんか?
日焼けはシミ、シワ、たるみなど肌老化にもつながるから、どうにかしたいけど、何を使ったらいいかわからないですよね。
実は日焼け後の肌ケアには、知っておくべき5つの成分カテゴリーがあります。
それらの成分ですばやくケアすることが、日焼けダメージから回復して将来の肌をキレイに保つカギなんです。
大手化粧品メーカーで10年以上、研究員をつとめる私が分かりやすく解説します。

さきりこ
大手メーカー化粧品研究員
開発した商品でベスコス受賞経験のある化粧品のプロ
成分にもとづいた「賢いキレイ」を届けるため、本サイト「myロットコスメ」で情報発信中!
美容のキホン、おすすめ化粧品の紹介をしています。
日焼けしちゃった…肌で起きている緊急事態とは?
日焼けした肌を鏡で見ると、ただ赤くなっているだけに見えますが、実は肌の内側では「緊急事態」が起きています。
この見えないダメージをしっかり理解して、正しくケアすることが、キレイな肌を守るための第一歩です。
日焼けで何が起きているのか
紫外線を浴びると、肌の中では次のような変化が起きています:
- 細胞へのダメージ:肌細胞のDNAを傷つける
- 炎症反応の発生:傷ついた細胞から炎症物質が出て、赤みや熱を感じる
- 活性酸素の増加:肌の老化を促進する有害物質が大量に発生
- 肌バリア機能の低下:肌を守る機能が弱まり、水分が逃げやすくなる
- メラニン生成の促進:肌を守ろうとして色素が増え、シミの原因に

ある研究では、紫外線を浴びた肌は通常の約2倍の水分を失うことがわかっています。肌の表面からだけでなく、細胞内の水分も失われるということです。
参考:Journal of Investigative Dermatology「UV-induced skin damage and barrier dysfunction」https://www.jidonline.org/
放置するとどうなる?日焼けの短期的・長期的影響
日焼けを「そのうち治る」と放置すると、短期的にも長期的にも肌にさまざまな影響が出ます。
- 痛みやヒリヒリ感
- 強い乾燥
- かゆみ
- 皮むけ
- 一時的な色素沈着
- シミやそばかすの増加
- しわやたるみの早期発生
- 肌のハリ・弾力の低下
- 皮膚の色むら



アメリカ皮膚科学会の調査によると、一度ひどい日焼けをした人は、そうでない人と比べて将来のシミ発生リスクが約40%高くなるというデータがあります。
だからこそ、日焼けを「そのうち治る」と放置せず、すぐに適切なケアを始めることが、肌の未来を守るために重要なのです。
参考:American Academy of Dermatology「Sun damage effects on skin」https://www.aad.org/
症状別│日焼け肌のSOSサイン
日焼けした肌は、さまざまな形でSOSサインを出しています。このサインは肌の中で起きていることとリンクしています。症状に合わせたケアができると、より回復が進みます。
炎症と赤み:肌内部で起きている警告信号


赤くなった肌は、単なる見た目の変化ではなく、体が「助けて!」と叫んでいる状態です。この赤みは、血管が広がって血流が増えた結果で、傷ついた細胞を修復するために起こる自然な反応です。
このような炎症は肌が紫外線によって傷つくと、体は「プロスタグランジン」という物質を出して修復作業を始めます。この時、熱や赤み、腫れといった症状が現れるのです。
ヒリヒリと乾燥:失われる肌バリア機能


日焼け後の肌がヒリヒリして乾燥するのは、肌の「バリア機能」が弱まっているサインです。
健康な肌は、水分を保ち、外部刺激から守る「壁」の役割をしていますが、日焼けでこの壁に穴があいた状態になります。
肌のバリア機能は、
- セラミドなどの細胞間脂質
- 角質細胞
- 天然保湿因子(NMF)
などからなる「レンガとモルタル」のような構造で成り立っています。紫外線はこの構造を壊し、水分の蒸発を促進します。
見えないダメージ:紫外線とDNA損傷の関係
日焼けの中で最も恐ろしいのは、目に見えない「DNA損傷」です。紫外線、特にUVBは皮膚細胞のDNAに直接ダメージを与え、遺伝子情報を書き換えてしまうことがあります。
紫外線によるDNA損傷は主に次の2つの形で起こります:
- DNAのねじれと傷
- 紫外線がDNAの設計図の一部をくっつけてねじれさせる
- 細胞が正しく働けなくなり、修復もうまくできなくなる
- 「荒れ狂う分子」=フリーラジカルの発生
- 非常に不安定な「荒れ狂う分子」=フリーラジカルが発生
- 肌のハリや弾力を支える大切なタンパク質を壊していく
ハーバード大学の研究では、日焼けによるDNA損傷は日焼けの症状が消えた後も最大2週間続くことが確認されています。



さらに驚くべきことに、暗い場所に移動した後も「暗反応」と呼ばれるプロセスで、DNA損傷が数時間にわたって続くことがわかっています。
参考:Science「Melanin chemistry and melanoma prevention」https://www.science.org/
「肌が老化する原因の80%は紫外線」と言われています。(出典:日本化粧品検定)
DNA 損傷はシミだけでなく、コラーゲンやエラスチンの生成を妨げ、将来的な肌のハリ・弾力の低下を加速させます。
- 深いシワ
- 肌のハリ・弾力の低下
- 薄く、もろい肌質になりやすい
- 赤ら顔や赤い斑点ができる
- 肌の凹凸・でこぼこ
- キメが乱れ、なめらかさが失われる
- 全体的な肌色にむらが出る
- 敏感肌になる
間違いだらけの日焼け後ケア
「日焼けしちゃった…早く何とかしなきゃ!」
そんな焦りから、知らず知らずのうちに肌に良くないケアをしていませんか?
せっかく炎症を抑えて将来のシミやしわを防ごうとしているのに、実はやり方次第で肌に悪影響を与えることも。
こんなケア、していませんか?
- 冷やしすぎる
- 血行が悪くなり、回復を遅らせることになります
- すぐにピーリングする
- 傷ついた肌に更なるダメージを与えてしまいます
- 油分の多いクリームを塗る
- 熱がこもり、炎症が長引いてしまいます
- 化粧水をたっぷり塗る
- アルコール成分が刺激になり、炎症を悪化させることがあります
- すぐに日焼け止めを塗り直す
- 刺激で炎症を悪化させる可能性があります



皮膚科学の研究によると、日焼け後にアルコール入りの化粧品を使った場合、肌の回復が約30%遅れることがわかっています。
参考:Journal of Cosmetic Dermatology「Effects of alcohol-containing products on UV-damaged skin healing」https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14732165
回復が遅れるだけでなく、日焼けで傷んだ肌をさらに痛めつけてしまった…
なんてことにならないように、正しい知識を身に着けましょう!
日焼け後に効く5大成分カテゴリー
日焼け肌をケアする成分は実は結構たくさんあります。しかし、それを何も知らずに使っていると、効果が偏ってしまい、しっかりケアができない可能性があります。
例えば、保湿成分は3つ使ったけど、消炎成分は1つも使ってないのでなかなか赤みが引かないといったことも。
日焼け後のケア成分はなるべく早く効果を発揮させるために、大きく5つに分類されます。
この分類を知っておくと、バランスよくケアができるようになります。
- 【消炎成分】赤みとヒリつきを鎮める抗炎症成分
- 【抗酸化成分】フリーラジカルから肌を守る成分
- 【保湿成分】失われた水分を補う保湿・バリア修復成分
- 【回復成分】肌を元気に導く細胞修復・再生成分
- 【予防成分】シミやシワを防ぐ成分
①【消炎成分】赤みとヒリつきを鎮める抗炎症成分
日焼け直後の肌は、やけどを負ったような状態。
特に、日焼け直後から3日程度の「急性期」にはまず「消炎成分」を使うことが重要です。
この時期に炎症をしっかり抑えることで、その後の回復が早まり、シミなどの色素沈着リスクも減らせます。
①消炎成分一覧
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
アロエベラエキス | 即効性の鎮静効果、水分補給も同時に行える |
カモミールエキス | 炎症抑制、赤み軽減、敏感肌にも使いやすい |
センテラアジアチカエキス | 修復促進、炎症抑制、傷の治りを早める |
アラントイン | 肌鎮静、新陳代謝促進、保湿効果もある |
ビサボロール | 強力な抗炎症作用、カモミールの有効成分 |
グリチルリチン酸2K | 抗炎症、抗アレルギー作用がある |
アズレン | 炎症抑制、血行促進効果がある |
カンゾウ根エキス | 抗炎症、抗酸化効果がある |
ハマメリスエキス | 収れん、消炎効果がある |
イザヨイバラエキス | 肌荒れ防止、消炎効果がある |
ユキノシタエキス | 炎症緩和、保湿効果がある |
オウゴンエキス | 抗炎症、抗菌作用がある |
パンテノール | 炎症鎮静、修復促進効果がある |



研究によると、アロエベラに含まれる成分が炎症に関わる酵素の活性を抑え、日焼けによる赤みを約33%軽減したという結果が報告されています。特に、冷蔵庫で冷やしたものは、効果と使用感の両方で高い満足度が得られています。
参考:Journal of Ethnopharmacology「Anti-inflammatory activity of aloe vera gel in a skin burn model」https://www.sciencedirect.com/journal/journal-of-ethnopharmacology
ちなみに、消炎成分は「冷たく感じる」ものが好まれがちですが、メントールなど清涼感のある成分は一時的に気持ちいいだけで、実は刺激になることも。本物の消炎成分は使った時の感覚より、使った後の赤みが改善するかが重要です。
それに対して、上の成分はいずれも、本質的な消炎効果がある成分。
スーッと冷たい感覚はないかもしれませんが、肌にはしっかり効いているはずなのでご安心下さい。
②【抗酸化成分】フリーラジカルから肌を守る成分
デューク大学の研究によると、紫外線による皮膚ダメージの約50%は、日焼けした後8時間以内に発生するフリーラジカルによるものだとされています。
つまり、②抗酸化成分も日焼け後すぐに使うことが、長期的な肌ダメージを減らす鍵となります。
参考:Journal of Investigative Dermatology「Topical vitamins C and E combined with ferulic acid reduces UV-induced photodamage」https://www.jidonline.org/
②抗酸化成分一覧
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
ビタミンC(アスコルビン酸) | 強力な抗酸化、コラーゲン生成促進 |
ビタミンC誘導体(APPS、VCIP、エチルアスコルビン酸など) | 安定化されたビタミンC、浸透性が高い |
ビタミンE(トコフェロール) | 脂溶性抗酸化成分、細胞膜保護 |
ナイアシンアミド(ビタミンB3) | 細胞エネルギー産生、抗酸化 |
アスタキサンチン | 超強力抗酸化カロテノイド、ビタミンEの約1000倍の力 |
グリーンティーエキス | ポリフェノール豊富、抗酸化 |
レスベラトロール | 抗酸化、抗炎症、長寿遺伝子活性化 |
コエンザイムQ10 | 細胞エネルギー生成、抗酸化 |
フェルラ酸 | ビタミンCとEの効果増強、安定化 |
イデベノン | CoQ10類似の強力抗酸化、若返り効果 |
ポリポディウムロイコトモスエキス | DNA修復支援、抗酸化 |
スーパーオキシドディスムターゼ | 活性酸素除去酵素、強力な抗酸化 |
カロテノイド(リコピン、ルテインなど) | 抗酸化、光保護、色素沈着防止 |
ポメグラネートエキス | ポリフェノール豊富、抗酸化、肌再生促進 |
ユビキノン | エネルギー生成補酵素、抗酸化、細胞活性化 |



抗酸化成分の中でも特に注目なのが「アスタキサンチン」です。サーモンやエビの赤い色素で、ビタミンEの約1000倍の抗酸化力を持ち、日焼けによる炎症を約40%抑制するという研究結果もあります。
参考:Journal of Dermatological Science「Astaxanthin attenuates the UVA-induced up-regulation of matrix-metalloproteinase-1 and skin fibroblast elastase in human dermal fibroblasts」https://www.jdsjournal.com/
③【保湿成分】失われた水分を補う保湿・バリア修復成分
日焼けした肌は通常の2〜3倍もの水分を失っています。さらに、紫外線によって肌の「バリア機能」が壊れているため、いくら水分を補給しても逃げていってしまう状態です。
消炎と抗酸化で肌ダメージをケアした後、必要なのが③保湿成分です。
使うタイミングは、やはり日焼け直後から。
なぜなら、乾燥した状態が続くと炎症が悪化し、回復が遅れるだけでなく、肌細胞の修復能力自体が低下してしまうからです。適切な水分補給とバリア修復により、その後の成分の浸透も良くなるため、全てのケアの土台となるのです。
③保湿成分一覧
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
ヒアルロン酸 | 高い保水力、自重の約1000倍の水分を保持 |
加水分解ヒアルロン酸 | 分子量の小さいヒアルロン酸、浸透性が高い |
セラミド | 細胞間脂質、バリア修復の要 |
グリセリン | 水分保持、保湿効果が高い |
スクワラン | 皮脂類似成分、保護膜形成、刺激が少ない |
ホホバオイル | 皮脂に近い組成、保湿しながら保護する |
シア脂 | 保湿、保護、修復効果が高い |
コレステロール | バリア機能強化、細胞間脂質の重要成分 |
尿素 | 角質軟化、水分保持、古い角質も除去 |
乳酸Na | 天然保湿因子、角質層の水分保持力を高める |
アミノ酸(セリン、グリシンなど) | 天然保湿因子成分、肌になじみやすい |
アルギニン | 保湿、肌修復促進、抗酸化作用もある |
トレハロース | 水分保持、細胞保護、極限環境でも効果 |
ベタイン | 水分保持、肌鎮静、刺激を抑える |
パンテノール | 保湿、バリア強化、修復促進の万能成分 |
マデカッソシド | バリア強化、修復促進、傷の治りを早める |
アラントイン | 保湿、修復促進、肌荒れを防ぐ |



特に注目すべきは「セラミド」です。セラミドは肌の中で細胞同士をつなぎとめ、水分の流出を防いでいます。日焼け肌にセラミドを補給することで、バリア機能が迅速に回復し、他の有効成分の浸透も良くなります。
研究によると、日焼けによって肌のセラミド量は最大で30%も減少することがわかっています。これがバリア機能低下の主な原因で、セラミドを含む保湿剤を使用した場合、そうでない場合と比べて肌の回復が約2倍速くなるというデータもあります。
参考:International Journal of Cosmetic Science「Ceramides and skin function」https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14682494
④【回復成分】肌を元気に導く細胞修復・再生成分
炎症を抑え、抗酸化対策をし、水分とバリア機能を整えた後は、ダメージを受けた肌細胞そのものを元気にする④回復成分の出番です。
回復成分は、傷ついた細胞の修復を助け、新しい健康な細胞への生まれ変わりを促進します。
回復成分は日焼け直後よりも、2〜3日経って炎症が落ち着いてから使うと効果的です。
④回復成分一覧
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
ペプチド(各種) | コラーゲン生成促進、細胞間コミュニケーション |
パンテノール | 細胞修復、再生促進、肌の柔軟性を高める |
アラントイン | 角質除去、細胞再生、なめらかな肌に導く |
EGF(上皮成長因子) | 細胞分裂活性化、修復促進、若々しさを保つ |
βグルカン | 免疫細胞活性化、修復促進、肌を強くする |
マデカッソシド | 創傷治癒、コラーゲン生成促進、ハリを与える |
アシアチコシド | 細胞再生、修復促進、肌のキメを整える |
ビオチン | 細胞代謝促進、修復、肌の生まれ変わりを助ける |
スクレロチウムガム | 保湿、皮膚修復、弾力を与える |
アデノシン | 細胞エネルギー、修復促進、活力を与える |
レチノール(ビタミンA) | 細胞ターンオーバー促進、肌のハリを高める |
バクチオール | 細胞活性化、修復、シワ改善効果もある |
カルノシン | 組織修復、抗糖化、老化防止に役立つ |
パルミトイルトリペプチド-1 | コラーゲン生成、修復促進、弾力を与える |
シカエキス | 修復、鎮静、再生、包括的なケア |
FGF(繊維芽細胞成長因子) | 細胞増殖、組織修復、若返り効果 |



特に注目されているのが「EGF(上皮成長因子)」です。ノーベル賞受賞研究から生まれた成分で、細胞の分裂と修復を促す「司令塔」のような役割を果たします。日焼けによって減少した肌の再生能力を高め、ダメージからの回復を加速します。
また、「シカエキス」(ツボクサエキス)は、アジアで何世紀にもわたって傷の治療に使われてきた植物から抽出された成分で、近年の研究でその修復効果が科学的にも証明されています。特にマデカッソシドやアシアチコシドといった有効成分が豊富に含まれ、日焼け後の肌の回復を総合的にサポートします。
⑤【予防成分】シミやシワを防ぐ成分
日焼けのダメージは、赤みや痛みが引いた後も肌の中で静かに進行しています。
紫外線によるダメージは
- メラニンの蓄積→シミ・そばかす・くすみ
- 肌構造の変化→シワ・たるみ
という2つの老化現象を引き起こします。
前者はシミ・そばかす・くすみとして、後者はシワ・たるみとして現れるのです。
日焼け後のケアでは、それぞれに対処する予防成分を取り入れることが鍵となります。
- 美白成分
- メラニンの生成や蓄積を抑える
- シワ・たるみを防ぐ成分
- 肌構造サポート
⑤-1 予防成分:美白成分一覧
紫外線を浴びた肌は防御反応としてメラニンを作り出しますが、このメラニンが排出されずに沈着すると、シミやくすみの原因になります。美白成分はこのプロセスに介入し、色素沈着を防ぎます。
美白成分を日焼け直後に使うと刺激になることがあります。
そのため炎症が落ち着いた3〜4日後から導入するのがベスト。
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
ビタミンC誘導体(各種) | チロシナーゼ阻害、メラニン還元、安定性が高い |
アルブチン | チロシナーゼ阻害、穏やかで安全性が高い |
トラネキサム酸 | 炎症抑制、メラニン生成抑制、シミに効果的 |
リコリスエキス(甘草) | メラニン細胞活性抑制、肌を明るくする |
ナイアシンアミド | メラニン輸送阻害、くすみ改善効果も |
コウジ酸 | チロシナーゼ阻害、シミ予防の定番成分 |
エラグ酸 | メラニン生成抑制、抗炎症効果もある |
ルシノール | チロシナーゼ阻害、強い抑制効果がある |
4-ブチルレゾルシノール | チロシナーゼ阻害、少量でも高い効果 |
アゼライン酸 | メラニン生成抑制、抗炎症、ニキビにも効果的 |
マグノリグナン | メラニン生成抑制、自然由来で刺激が少ない |
カモミラET | メラニン生成抑制、肌荒れも防ぐ |
エンピチルブタノール | メラニン抑制、抗酸化効果も兼ねる |
マルベリーエキス | チロシナーゼ阻害、漢方由来の美白成分 |
グリチルリチン酸塩 | 抗炎症、間接的な色素沈着抑制効果 |
ブライトニングペプチド | メラニン生成シグナル阻害、新世代の美白成分 |
そして継続が命!短期間では効果が出にくいので、最低でも4週間は続けることをおすすめします。
季節を問わず朝のUV対策と組み合わせるとさらに効果的です。
東京医科歯科大学の研究では、トラネキサム酸を含む製品を日焼け後の肌に8週間使用したグループは、使用しなかったグループと比較して、メラニン量が約35%少なく、目に見えるシミの発生率が約40%低かったという結果が報告されています。
参考:Journal of Dermatological Science「Tranexamic acid reduces melanin production through inhibition of the plasmin-PAR-2 pathway」https://www.jdsjournal.com/
メラニン抑制成分の中でも、最も研究が進んでいるのは「ビタミンC誘導体」です。
通常のビタミンCは不安定で効果が持続しにくいですが、誘導体化することで安定性と浸透性が向上。
肌内部でビタミンCに戻り、メラニンの生成を抑えるだけでなく、すでにできたメラニンを還元する働きもあります。



特に「APPS(アスコルビン酸-2-リン酸-6-パルミチン酸ナトリウム)」や「VCIP(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル)」などの新世代ビタミンC誘導体は、従来のものより効果が高いことが臨床試験でも確認されています。
また、「ナイアシンアミド」はメラニンの生成ではなく、メラニンが表皮細胞に転送されるプロセスを阻害するユニークな働きがあり、他の美白成分と併用することで相乗効果が期待できます。
⑤-2 予防成分:シワ・たるみ予防成分一覧
紫外線は表皮だけでなく、肌の土台である真皮層にもダメージを与え、コラーゲンやエラスチンといった弾力繊維を分解します。
これが将来的なシワやたるみにつながるため、肌の構造をサポートする成分でケアすることが重要です。
使用時期について、レチノールは日焼け直後の敏感な肌には刺激が強すぎることがあります。
日焼け後7〜14日程度経ってから、低濃度のものから徐々に肌を慣らしていくのがおすすめです。
一方、ペプチドやアデノシンなどの比較的刺激の少ない成分は、日焼け後4~5日目から使い始めても問題ないことが多いです。
成分名 | 特徴・効果 |
---|---|
レチノール/レチノイド | 細胞ターンオーバー促進、コラーゲン生成増加、シワ改善 |
ペプチド(マトリキシル等) | コラーゲン産生促進、弾力回復、シワ減少 |
コラーゲン | 肌の構造タンパク質補強、ハリ・弾力を与える |
エラスチン | 肌の弾性繊維補強、肌の弾力性向上 |
ヒアルロン酸(低分子) | 深部保湿、ハリ回復、小じわ改善 |
セラミド | バリア機能強化、水分保持、肌質改善 |
アデノシン | ATP供給、エネルギー代謝活性化、シワ軽減 |
DMAE | 肌引き締め効果、たるみ改善 |
ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド) | 細胞エネルギー産生、コラーゲン生成促進 |
グロースファクター(EGF/FGF等) | 細胞修復・再生、肌構造強化 |
バクチオール | レチノール様効果、シワ改善、低刺激性 |
カルノシン | 抗糖化作用、コラーゲン変性防止 |
パルミトイルペンタペプチド-4 | コラーゲン生成促進、肌弾力回復 |
加水分解エラスチン | 肌弾力補助、たるみ予防 |
CoQ10(ユビキノン) | 細胞エネルギー生成、抗酸化、肌老化防止 |
日焼け後の肌で特に効果的なのは「ペプチド」です。
肌細胞に「コラーゲンをもっと作りなさい」という信号を送る役割を果たします。
研究によると、特定のペプチドは日焼けによって減少したコラーゲン生成を最大50%回復させる効果があるとされています。
参考:Journal of Investigative Dermatology「Retinoids in the treatment of skin aging」https://www.jidonline.org/
日焼け後の時間経過に合わせたケア方法


日焼け後のケアは、時間の経過とともに変えていく必要があります。
肌は日焼け直後から、急性期、ピーク期、鎮静期、再建期、安定期と段階を踏んでもとに戻っていくため、それぞれので必要な成分やケア方法が異なるのです。
その時に最適なケアをすることで、ダメージを最小限に抑え、素早く美しい肌を取り戻しましょう。
ここでは日焼け後の時間経過に合わせた効果的なスキンケア方法を紹介します。
〜1日 急性期:消炎と保湿で応急処置!
日焼け直後は「火事場」のような状態です。
肌の炎症を鎮め、これ以上のダメージを防ぐための応急処置が必要です。
この24時間の対応が、その後の回復スピードとシミやシワの発生リスクを大きく左右します。
- ① 消炎成分:
- 最優先で使う
- アロエベラ、カモミール、センテラアジアチカなど
- ② 抗酸化成分:
- 急いで使わなくてもOK。むしろ刺激になることも
- ③ 保湿成分:
- 積極的に使う
- ヒアルロン酸、セラミド、アラントインなど
- ④ 回復成分:この時期は使用しない
- ⑤ 予防成分:この時期は使用しない
具体的なケアステップ
- 冷却:冷たいシャワーや冷たいタオルで患部を冷やす(15〜20分程度)
- 洗浄:低刺激の洗浄料で優しく汚れを落とす(こすらない)
- 保湿:ジェルタイプのアロエや消炎成分入り化粧水を10分おきに塗布
- 保護:水分が浸透したら、乳液やクリームで水分蒸発を防ぐ
緊急処置の段階では「冷やす・保湿する・刺激を避ける」の3原則を徹底しましょう。
特に保湿は「量より頻度」が大切です。
厚塗りするよりも、軽いテクスチャーのものを小まめに塗り直す方が効果的ですよ!
注意点
- アルコール、香料、色素入りの製品は避ける
- 痛みが強い場合は市販の抗炎症薬を検討(医薬品)
- ペースト状の厚塗りは熱がこもるので避ける
- メイクは極力避ける
- 日焼け止めの再塗布は炎症を悪化させる可能性あり、日陰で過ごす
日焼け直後のケアは「消防士」のように炎症という火事を素早く消すことが最優先なので、無理なメイクや外出は避け、消炎と保湿に集中しましょう。
1〜3日 ピーク期:炎症とたたかう抗酸化対策が勝負!
日焼け後1~3日目は、炎症のピークを迎える時期です。
初日の痛みは少し落ち着いても、赤みが最大になり、肌内部ではメラニン生成が活発化。
この時期の対応がシミやくすみの定着を左右する重要な局面です。急性期の応急処置から一歩進んで、本格的な回復への土台作りが必要です。
- ① 消炎成分:
- 引き続き最優先で使用
- グリチルリチン酸2K、アラントイン、カンゾウエキスなど
- ② 抗酸化成分:
- 積極的に導入すべき重要時期
- ビタミンC、E、ナイアシンアミド、アスタキサンチンなど
- ③ 保湿成分:
- バリア修復重視の成分を使用
- セラミド、スクワラン、ヒアルロン酸など
- ④ 回復成分:
- 様子を見ながら低刺激のものから導入
- パンテノールなど刺激の少ないもの
- ⑤ 予防成分:この時期は使用しない
具体的なケアステップ
- 洗顔:ぬるま湯または冷水で、クリーム/ミルクタイプの低刺激洗顔料を使用
- 化粧水:消炎+保湿成分入りの化粧水を重ね付け(3〜5回)
- 美容液:抗酸化美容液を全体に塗布(特にダメージの強い部分に重点的に)
- 乳液/クリーム:バリア修復成分入りのもので保護(軽めのテクスチャーを選ぶ)
- 日中:必要に応じて保湿ミストで潤いを補給(2〜3時間おき)



ピーク期には「抗酸化成分」が特に重要。活性酸素を除去することで、後々のシミやハリ低下を防げます。ビタミンCとEの組み合わせが特におすすめ。ただし敏感になっているため、様子を見ながら使いましょう!
注意点
- 皮むけが始まっても無理に剥がさない(自然に落ちるのを待つ)
- 回復期に入ると痒みが出ることがある(掻かないように注意)
- 強い刺激のある製品はまだ避ける(AHA、BHA、レチノールなど)
- 保湿は1日5回以上行うのが理想的
- 日焼け止めを使う場合は、低刺激の物理的(ノンケミカル)タイプを選ぶ
ピーク期のケアは「短期決戦」の勝負どころ。この3日間の対策がその後の回復スピードとシミの発生リスクを大きく左右するため、抗酸化と保湿を中心に、集中的かつ頻繁なケアで肌の回復力を高めることが決め手となります。
4〜6日 鎮静期:肌再生のスイッチを入れるターニングポイント
日焼け後4~6日目は、赤みや熱感が落ち着き始める鎮静期。
この時期は一見回復したように見えますが、実は皮むけやかゆみが本格化します。
表面の炎症は収まりつつありますが、肌の深部では本格的な修復作業が始まっている時期。
また、色素沈着が始まる段階です。
「黒くなっちゃった…」
と落ち込むかもしれませんが、大丈夫。
このタイミングで適切なケアをすることで、肌の再生プロセスを正しい方向へ導くことができます。
- ① 消炎成分:
- 必要に応じて使用(症状が残っている部分に)
- カモミール、センテラアジアチカなど刺激の少ないもの
- ② 抗酸化成分:
- 積極的に使用を継続
- ビタミンC、E、アスタキサンチン、CoQ10など
- ③ 保湿成分:
- 充分な保湿を継続
- セラミド、ヒアルロン酸、スクワランなど
- ④ 回復成分:
- 最も重視すべき時期
- ペプチド、βグルカン、EGFなど
- ⑤ 予防成分:
- 様子を見ながら導入開始
- マイルドなビタミンC誘導体、アルブチンなど
具体的なケアステップ
- 洗顔:通常の洗顔に戻してOK(ただし優しく)
- 化粧水:保湿成分入りのものを十分に
- 美容液①:回復成分入り美容液を重点的に
- 美容液②:抗酸化美容液を継続使用
- クリーム:バリア機能を高める成分入りのもの
- 夜用パック:週2回程度、回復に特化したシートマスクで集中ケア



鎮静期は「回復成分」が主役。特にペプチドは肌細胞に「修復せよ」と指令を出し、新しい肌の生まれ変わりを促します。夜のお手入れを重視して、寝ている間の回復力を最大限に引き出しましょう。
注意点
- かゆみが強くても掻かない(色素沈着の原因に)
- 皮むけは自然に任せる(無理に剥がすとシミの原因に)
- 日焼け止めは必ず使用(紫外線に敏感な状態)
- 刺激の強いピーリング剤はまだ使わない
- 肌状態が不安定なためパッチテストをしてから使用
最新の研究では、日焼け後4~6日目に肌再生に特化したペプチド成分を使用すると、使用しなかった場合に比べてターンオーバーが約30%速くなり、色素沈着も約25%軽減されたというデータがあります。
この時期の「再生スイッチ」をいかに効果的に入れるかが、美肌への近道です。
参考:Journal of Dermatological Science「Effects of peptides on skin regeneration after UV exposure」https://www.jdsjournal.com/article/S0923-1811(18)30352-X/
鎮静期のケアは新しい肌を作る「設計図作り」の段階。表面的な改善に一喜一憂せず、深部からの回復を促す成分を重視して、これからの肌の土台をしっかり作りましょう。
7〜14日 再建期:積極ケアで未来の肌を守る転換期
日焼け後7~14日目は、表面上は落ち着いてきた再建期。
赤みはほぼ消え、皮むけも終わりに近づき、見た目は「治った」ように見えますが、内部では重要な変化が進行中です。
この時期は、将来のシミやシワを防ぐための分岐点。
これまで控えていた美白成分やシワ・たるみを防ぐ成分を導入し、肌の長期的な健康を左右する土台作りを行う重要なステージです。
- ① 消炎成分:
- 必要な場合のみ使用(通常は必要ない)
- ② 抗酸化成分:
- 引き続き使用(より高濃度のものも可)
- ビタミンC、フェルラ酸、レスベラトロールなど
- ③ 保湿成分:
- 通常の保湿ケアへ移行
- セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸など
- ④ 回復成分:
- 積極的に使用(高機能なものも可)
- EGF、FGF、幹細胞エキス、高濃度ペプチドなど
- ⑤ 予防成分:
- 本格的に導入(肌質や目的に合わせて)
- ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、レチノール誘導体など
具体的なケアステップ
- 洗顔:通常の洗顔料を使用(週1回は軽いピーリング洗顔も可)
- 化粧水:肌質に合った通常の化粧水
- 美容液①:シミ予防美容液(朝)
- 美容液②:回復・ハリ向上美容液(夜)
- クリーム:栄養補給タイプの使い心地の良いもの
- 集中ケア:週2~3回、目的別の集中マスクやトリートメント
- 日焼け止め:SPF30以上を必ず使用



再建期は「予防成分」を本格導入する絶好のタイミングです。特にビタミンC誘導体とペプチドの組み合わせは、シミ予防と肌質改善の両方に効果的。
注意点
- レチノールは低濃度から徐々に肌を慣らす
- 刺激を感じたらすぐに使用を中止する
- エイジングケア製品は就寝前に使うのが効果的
- 敏感肌の場合はパッチテストを必ず行う
- 高濃度美容液の組み合わせは製品の相性を確認
皮膚科学の臨床研究では、紫外線ダメージを受けた後の肌に適切な回復・予防ケアを行った場合、6ヶ月後のシミ発生率が約45%減少し、微細なシワの形成も約30%抑制されたという結果が報告されています。特に日焼け後7~14日目のケアが、長期的な肌の状態に大きく影響することが明らかになっています。
参考:Journal of Cosmetic Dermatology「Long-term effects of post-UV exposure treatments on photoaging markers」https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14732165
再建期のケアは「未来への投資」。目に見える症状が治まっても、内部のダメージは続いています。この時期にしっかりとケアすることで、数ヶ月後、数年後の肌の状態を大きく左右するため、積極的かつ計画的なケアが重要です。
14日〜数ヶ月 安定期:肌記憶にはたらきかける維持・強化期
日焼け後14日以降は、黒さはあるものの表面的にはほぼ元の状態に戻った安定期。
しかし、紫外線ダメージは肌の深部に「記憶」として残り、長期的な老化の原因となります。
この時期は見えないダメージとの長期戦。
放っておくと数ヶ月後にシミが濃くなったり、ハリが低下したりする可能性があるため、継続的なケアが必要です。「もう治った」と油断せず、肌の深部からの強化を続けましょう。
- ① 消炎成分:
- 通常は必要なし(敏感肌の場合のみ)
- ② 抗酸化成分:
- 継続使用(予防の観点から)
- ビタミンC、E、ポリフェノール類など
- ③ 保湿成分:
- 肌質に合わせて選択
- セラミド、ヒアルロン酸、スクワランなど
- ④ 回復成分:
- 定期的に使用(特に夜)
- ペプチド、グロースファクター、幹細胞エキスなど
- ⑤ 予防成分:
- 積極的に使用(肌の状態を見ながら)
- レチノール、AHA、トラネキサム酸、ナイアシンアミドなど
具体的なケアステップ
- 洗顔:週1〜2回は角質ケア入りの洗顔(AHA/BHAなど)
- 化粧水:通常の化粧水
- 美容液①:予防重視の美容液(ビタミンC、ナイアシンアミド)
- 美容液②:エイジングケア美容液(ペプチド、レチノール)
- クリーム:バリア強化+抗酸化成分入りのもの
- 集中ケア:週1回の集中トリートメント(ビタミンC導入など)
- 常用品:高SPF日焼け止め+UVカット帽子・サングラス



安定期にこそ本格的な「予防成分」が効果を発揮します。レチノールは肌の生まれ変わりを正常化し、長期的なダメージから回復させる効果が期待できます。
一度日焼けした肌は次の紫外線に弱くなっているので、日焼け止めを習慣化して「二次被害」を防ぐことも重要です。
注意点
- 強い成分(レチノール、AHAなど)は週2〜3回から始める
- 複数の予防成分を同時に使う場合は相性を確認
- シミが薄くなっても油断せず継続する
- 季節の変わり目は肌が敏感になるため調整する
- 専門医によるケア(レーザーなど)も検討する時期
安定期のケアは「健康的な肌習慣の確立」がポイント。単発の日焼けダメージを修復するだけでなく、肌の回復力と防御力を高める生活習慣を作ることで、将来的な光老化から肌を守る体制を整えましょう。
日焼け後ケアでよくある疑問と対策
日焼け後のケアについては、インターネットやSNSでさまざまな情報が飛び交っていますが、「本当に正しいの?」と疑問に思うことも多いはず。特に肌がデリケートな状態だからこそ、確かな情報に基づいたケアが大切です。ここでは、読者の皆さんから多く寄せられる疑問について、科学的根拠と私の研究経験に基づいてお答えします。「これって大丈夫?」という迷いを解消して、安心して日焼け後ケアに取り組みましょう。
お風呂・シャワーはいつから普通に入れる?温度は?


結論、当日からお風呂やシャワーOK。
ただし、4日ほどは熱いお湯を避け、7日後くらいから通常の入浴に戻しましょう。
日焼け直後ほど低温・短時間を心がけ、時間経過とともに徐々に通常に戻していくのがポイントです。
- 急性期(〜1日):
- 冷水〜ぬるま湯(26〜30℃)の短時間シャワーのみ
- ごしごし洗わず、流すだけにする
- ピーク期(1〜3日):
- ぬるめのシャワー(32℃程度)
- 無添加・低刺激の石鹸を使用
- 鎮静期以降(4日目〜):
- 38℃程度のぬるめのお湯なら入浴可能
- 保湿効果のある入浴剤を使用OK



日焼け後3日間は「お風呂上がりの3分ルール」を覚えておくと良いでしょう。肌が乾燥し始める前の3分以内に保湿ケアを完了させることで、うるおいの逃げ道を早めに塞ぐことができますよ!
注意すべきポイント
- 熱すぎるお湯は炎症を悪化させ、肌の保護膜も奪います
- ナイロンタオルやスポンジでのゴシゴシ洗いは厳禁
- 入浴後は急速に乾燥が進むため、すぐに保湿
セラミド、ヒアルロン酸、スクワラン…何が違う?


これらはすべて「保湿成分」ですが、働き方が異なります。
- セラミド:肌のレンガとモルタルのバリア構造を修復
- ヒアルロン酸:水分を引き寄せて保持
- スクワラン:油分のバランスを整える
これら3つの成分をバランスよく使うことで、日焼け肌の保湿効果を最大化できます。
代表的な保湿成分の特徴と役割
成分名 | 主な効果 | 効果的な使用時期 | おすすめの剤形 |
---|---|---|---|
セラミド | バリア機能回復、水分蒸発防止 | 全期間(特にピーク期〜) | クリーム、乳液 |
ヒアルロン酸 | 水分保持、即効保湿 | 全期間(特に急性期に有効) | 化粧水、ジェル |
スクワラン | 皮脂バランス調整、保護膜形成 | 鎮静期以降 | 美容オイル、乳液 |
グリセリン | 水分吸着、即効保湿 | 急性期〜ピーク期 | 化粧水、ジェル |
コレステロール | 細胞間脂質補充、バリア強化 | ピーク期以降 | クリーム |
尿素 | 角質柔軟化、水分保持 | 鎮静期以降(低濃度から) | ローション |



日焼け後の保湿は「水分→油分」の順番が鉄則。まずヒアルロン酸などの水分保持成分で水分を補給し、スクワランなどの油分で蓋をするのが有効です。
- 急性期:ヒアルロン酸+グリセリン(水分重視)
- ピーク期:ヒアルロン酸+セラミド(バリア修復)
- 鎮静期以降:セラミド+スクワラン(総合ケア)
アロエは本当に効く?科学的にどうなの?


結論、アロエは日焼け肌に有効です。
アロエに含まれる多糖類やグリコプロテインには抗炎症作用があります。
臨床試験でも日焼けによる炎症を27〜40%軽減することが確認されています。
参考:Burns Journal「Effectiveness of Aloe Vera gel compared with 1% silver sulphadiazine cream as burn wound dressing in second degree burns」https://www.burnsjournal.com/
ただし、製品による効果の差が大きく、アロエ含有量やその他の成分にも注目する必要があります。
- アロエジェルを塗った人は赤みや痛みが約36%早く治った
- 日焼けした後にアロエを塗ると、肌の赤みが約35%少なくなった
- アロエを塗ってから約20分で炎症を抑える効果が始まり、その効果は丸一日続いた
参考:
Journal of the Medical Association of Thailand https://www.jmatonline.com/
International Journal of Dermatology https://onlinelibrary.wiley.com/journal/13654632
Skin Pharmacology and Physiology https://www.karger.com/Journal/Home/224332
漢方由来成分vs最新成分、どちらが効果的?


結論、「どちらが効果的」ではなく「どう組み合わせるか」が重要です。
漢方由来成分と最新成分にはそれぞれ強みがあります。
- 漢方由来成分:長期安全性と穏やかな効果が特徴
- 最新成分:即効性と作用メカニズムの明確さが強み
日焼け後の肌状態に合わせて両者を賢く取り入れるのがベストアプローチです。
それぞれの特徴を比較
漢方由来成分の強み
- 複合的な効果(複数の有効成分が相乗効果)
- 副作用のリスクが比較的低い
- 長年の使用実績による安全性
- 敏感肌でも使いやすい穏やかな作用
最新成分の強み
- 効果の即効性が高い
- 作用メカニズムが科学的に解明されている
- 特定の症状に対して高い効果
- 効果の数値化・検証がしやすい
日焼け後におすすめの組み合わせ
肌の時期 | おすすめの漢方由来成分 | おすすめの最新成分 | 組み合わせのメリット |
---|---|---|---|
急性期(〜1日) | アロエベラ、カモミール、ドクダミ | パンテノール、アラントイン | 炎症を穏やかに鎮める+冷却効果 |
ピーク期(1〜3日) | 甘草、カンゾウ、緑茶 | マデカッソシド、ナイアシンアミド | 炎症ピークを抑制+抗酸化防御 |
鎮静期(4〜6日) | センテラアジアチカ、ツボクサ | ヒアルロン酸、ペプチド | バリア修復+細胞再生促進 |
再建期(7〜14日) | 高麗人参、白きくらげ | EGF、グロースファクター | 肌の再構築+活性化 |
安定期(14日〜) | マルベリー、カンゾウ | レチノール、ビタミンC誘導体 | 色素沈着防止+肌質改善 |
「カンゾウ(甘草)エキス+ナイアシンアミド」の組み合わせについての研究では、それぞれを単独で使用するよりも、一緒に使用した場合の方がメラニン生成抑制効果が約40%高まったというデータもあります。
参考:Journal of Cosmetic Dermatology「Synergistic effect of licorice extract and niacinamide on melanogenesis inhibition」https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14732165
選び方のポイント
- 肌の状態と優先すべき効果を明確に
- 敏感肌の場合は漢方由来成分から始める
- 即効性を求める場合は最新成分を優先
- 長期的なケアには両方をバランスよく
- 成分同士の相性を確認(すべてが相乗効果を発揮するわけではない)
日焼け後のメイク、いつからどうやって?


結論、最低でも3日間は避け、ピーク期が過ぎた4日目以降から少しずつ始めるのがベストです。
それ以前にメイクをすると炎症が悪化したり、回復が遅れたりするリスクがあります。
研究によると、皮膚のバリア機能が回復するまでに日焼け後約3~5日かかり、この期間中のメイクは回復を平均約30%遅らせる可能性があるという報告があります。
特にカバー力の高いファンデーションは肌への負担が大きいです。
参考:Journal of Cosmetic Dermatology「Effects of makeup application on skin recovery after UV exposure」https://onlinelibrary.wiley.com/journal/14732165
時期別メイクの注意点
- 急性期(~1日)・ピーク期(1~3日):
- 基本的にノーメイクが理想
- どうしても必要な場合は日焼け用の薬用化粧下地のみ
- ファンデーション、チーク、アイメイクは避ける
- メイク落としは極力使わない
- 鎮静期(4~6日):
- 軽いメイクから開始可能
- ミネラルファンデーション、BBクリームなど低刺激タイプ
- 油分の多いコンシーラーは避ける
- ウォータープルーフ製品は使わない
- 再建期(7日目以降):
- 通常のメイクに徐々に戻せる
- ただし肌の状態を見ながら調整
- UVカット効果のあるファンデーションがおすすめ



日焼け後は「メイク崩れしやすい」状態でもあります。バリア機能が低下し、水分や油分のバランスが崩れているため。焦ってメイクをするより、しっかり肌を整えてからの方が見た目にもプラスになりますよ!
日焼け後メイクの3つのステップ
- 下地選び
- 炎症鎮静成分入りの薬用化粧下地
- ミネラル成分中心の低刺激タイプ
- 必ずUVカット効果のあるもの
- ファンデーション
- パウダータイプまたはミネラルファンデーション
- カバー力よりも肌への優しさを優先
- こすらずに軽くポンポンとのせる
- メイク落とし
- クレンジングオイルやクリームは避ける
- ミルクやジェルタイプの低刺激製品
- 肌をこすらないよう優しく落とす
日焼け後でも使えるおすすめメイクアイテム
- ミネラルファンデーション(粉体が細かく刺激が少ない)
- カラーコントロール下地(緑色で赤みをカバー)
- アロエベラ配合BBクリーム(保湿しながらカバー)
- ミネラルルースパウダー(油分を抑えつつ軽いつけ心地)
サプリメントや食事で日焼けケアは可能?
結論、日焼け後の回復をサプリメントや食事でサポートすることは可能です。
外からのケアだけでなく内側からのケアも併用することで、回復スピードがアップするという研究結果もあります。
ただし、効果が表れるまでに時間がかかるため、継続的な摂取が鍵となります。
日焼け回復に効果的な栄養素トップ5
栄養素 | 効果 | おすすめ食品 | サプリ摂取目安 |
---|---|---|---|
ビタミンC | コラーゲン生成促進、抗酸化 | アセロラ、キウイ、パプリカ | 500~1000mg/日 |
ビタミンE | 抗酸化、細胞膜修復 | アーモンド、ひまわり油、アボカド | 100~400IU/日 |
アスタキサンチン | 強力な抗酸化、抗炎症 | 鮭、えび、いくら | 4~12mg/日 |
オメガ3脂肪酸 | 抗炎症、バリア機能強化 | 青魚、亜麻仁油、くるみ | 1000~2000mg/日 |
リコピン | 抗酸化、光防御 | トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ | 10~30mg/日 |
サプリメントと食事は「即効性」を期待するのではなく、「回復の土台作り」と捉えるのがコツ。特にビタミンCとビタミンEの組み合わせは、皮膚細胞のDNA修復をサポートする効果があり、日焼け後1週間は意識的に摂ることをおすすめします。



食事だけで十分な量を摂るのは難しいので、サプリメントとの併用が効果的です!
日焼け後の回復フェーズ別おすすめ食品
- 急性期(~1日):
- 水分補給:スイカ、きゅうり、ココナッツウォーター
- 抗炎症:ターメリック入りスムージー、緑茶
- ピーク期(1~3日):
- 抗酸化:ベリー類、柑橘類、色とりどりの野菜
- タンパク質:良質なタンパク質(魚、豆腐、鶏肉)
- 鎮静期以降(4日目~):
- コラーゲン促進:ビタミンC豊富な食品+ゼラチン/コラーゲン
- 細胞再生:ナッツ類、オリーブオイル、アボカド
オーストラリアのクイーンズランド大学の研究では、ビタミンC、E、カロテノイド(リコピン、ルテインなど)を豊富に含む食事を12週間続けたグループは、そうでないグループと比較して、紫外線によるダメージからの回復が約24%速かったという結果が報告されています。
参考:British Journal of Nutrition「Dietary antioxidants and skin photoprotection: A systematic review」https://www.cambridge.org/core/journals/british-journal-of-nutrition
注意すべきポイント
- サプリメントは医薬品ではないため、効果には個人差がある
- 高用量のサプリメントは副作用のリスクもあるため、適量を守る
- 食事からの摂取を基本とし、サプリメントは補助と考える
- 持病がある場合や薬を服用中の方は医師に相談する
- 効果が表れるまで最低2週間~1ヶ月の継続摂取が必要
避けるべき食品
- アルコール:脱水を促進し、回復を遅らせる
- 高糖質食品:炎症を悪化させる可能性
- 高塩分食品:むくみを助長する
- 刺激物(唐辛子など):すでに炎症のある肌を刺激する
まとめ:今日から始める日焼け後ケア成分戦略
日焼け後のケアは、単なる「赤みを抑える」だけのものではありません。肌の奥深くまで及ぶダメージをトータルにケアし、将来のシミやシワを防ぐための総合的な戦略が重要です。この記事でご紹介した内容の中から、特に覚えておきたい重要ポイントをまとめました。
- 5大成分カテゴリーを理解し活用する
- 消炎成分:アロエ、カモミール、センテラアジアチカなど
- 抗酸化成分:ビタミンC・E、アスタキサンチンなど
- 保湿成分:セラミド、ヒアルロン酸、スクワランなど
- 回復成分:ペプチド、パンテノール、EGFなど
- 予防成分:ビタミンC誘導体、トラネキサム酸、レチノールなど
- 時期に合わせた成分選びが鍵
- 急性期(~1日):消炎成分と保湿成分を最優先
- ピーク期(1~3日):抗酸化成分を積極的に追加
- 鎮静期(4~6日):回復成分を中心に据える
- 再建期(7~14日):予防成分を本格導入
- 安定期(14日~):すべての成分をバランスよく
日焼け後のケアは「消火活動」から始まり、「復興工事」へと進む総合プロジェクトです。
今回ご紹介した成分と時期に合わせたアプローチを取り入れることで、日焼けによるダメージを最小限に抑え、むしろこれを機に肌質を改善する機会にすることも可能です。
特に大切なのは、日焼け直後の対応。最初の24時間の行動が、その後1週間の回復スピードを左右します。
この記事を参考に、あなたの肌状態に合った成分を選び、効果的なケアを始めてみてください。
これからも、みなさんが「賢くキレイに」なれる情報を発信していきます!